仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ。今回は第25回目、EIEの自己犠牲です。
EIEの自己犠牲
前回はかわいそうなIEIという記事を書きました。
IEIは自分を弱く弱くすることで支配から逃れつつ、助けてくれる人を集める…みたいな話をしました。
IEIと似ているタイプでEIEというタイプがありますが、EIEもまた、自分を弱く見せるタイプです。
ただEIEの場合は、この「弱さ」は、積極的な自己犠牲という形であらわれます。「強がり」というか「無謀」というか、うーんやっぱり「自己犠牲」がしっくりくる。
たとえば…なんらかの強敵があらわれて(なんらかの強敵?)、みんなが「もう逃げよう…あんな強いの勝てないよ…」というモードになっている中で、1人だけ敵に立ち向かおうとする、それもボロボロの体で――みたいな、そういう…あるやんそういうの…。
……いいよ、大丈夫。私が1人であいつら全員やっつけるから。みんながどう言おうと、私は最初から行くって決めてたから。
…腕のケガ? こんなの慣れっこだよ♪ 子どもの頃、お父さんとよくケンカしてね、それでケガばっかりしてたから。お父さんはお酒が入ると少し大変な人で、お母さんは弱い人だった。だから私がお母さんを守らなきゃ、家族が前に進まなかったんだよね。…あ、気を遣わないでほしい! もう昔のことだから。
18歳でここに来て、みんなと出会えた。たくさん笑って、たくさん思い出作った。子どもの頃の私だったら考えられないくらい! 私はここでもう一生分楽しんだ!
それにほら、私ってこういう性格でしょ? 今行かなかったら、絶対に後悔すると思う。だから、行く。
でも最後に……最後に1つだけ、お願いしていいかな?
……。
お母さんのこと、よろしくね。
自分だって辛いはずなのにいつだって頑張ってて、健気で、不憫で、危なっかしくて、その目は力強く前を見据えていて、でも肩はわずかに震えている…そんな「王道ストーリーにおけるあまりに高潔かつ悲劇的な運命を迎えるヒロイン」のような人。私の中のEIEの自己犠牲のイメージといえば、こんな感じ。
ですが繰り返しますが、EIEは、IEIと似て、自分を弱く見せるタイプです。
強気で好戦的な行動・言動のなかで時々ほのめかされる脆さ、暗さ。それから、何かのために自らを喜んで危険に晒す無防備さ、危なっかしさ。これらがすべて、EIEの戦略だったとしたら? そして、こうした王道ストーリーに乗っかること自体が、EIEの思うつぼなのだとしたら…?
今回はここまで。本題は次回。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。