仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ。今回は第23回目、SLEの支配欲です。
SLEの支配欲
前回、かよわくなれないSLE、という記事を書きました。
ストラティエフスカヤによる「SLEがかよわくなれない」理由の説明を引用しました。簡単に言うと、SLEがもともと「強さ」を重視するタイプだというのが理由でした。
ですが理由はそれだけではありません。ストラティエフスカヤの説明は、以下のように続きます。
また、(SLEは)誰かの力に屈することも不快です。これは彼らのベータ・クアドラの支配欲と矛盾します。そしてベータ・クアドラの「パシリ」コンプレックス※1――従属的な立場へと押しやられる恐怖――を傷つけ、それから、支配させられたり辱められたりしないように支配したい(屈辱を与えたい)という欲望を刺激します。
Тождественные Отношения: СЛЭ-СЛЭ | Соционика от Стратиевской
補足しましょう。
まず、SLEがかよわくなれない理由として挙げられていること、それは誰かの力に屈したくないというのが強いからです。
これは理論的に言うと、ベータ・クアドラに特徴的な支配欲(とか優位に立ちたい欲)に反するからです。
ベータ・クアドラというのは、ソシオタイプの小グループで、SLE・IEI・EIE・LSIの4タイプが属しますが、前回扱った外向感覚(意志の感覚)を大事に考えているという点で共通しています。他にも共通点はあるけどね。
以下にマイルドな解説もあるので参考までに:
ベータ・クアドラの中でも、SLEは、前回扱った通り強さがいちばん大事なタイプです(主導する機能×外向感覚)。また、はたから見てもそうで、SLEのいちばんの魅力・いちばんのSLEらしさも、やっぱり強さ、というふうになってきます。
一方、支配というのは、強い者から弱い者へ行われるものです。なので支配する者は強く、支配される者は弱いとみなされます(一般論の話をしていますよ!)。
そういうなかで、SLEが支配されてしまえば、それは大事件です。
なぜなら、SLEが支配されるということは、SLEの「強さ」が否定されることだから。つまりそれは、SLEのいちばん大事な価値観が否定されることであり、SLEのいちばんの魅力、いちばんの自分らしさが否定されるということだから。
というわけでSLEは、絶対に支配されたくないんです。そういう人にとって「支配されるかもしれない」というのはめちゃくちゃ恐怖です。
そしてその恐怖を消すためにも、常に自分がすべてを支配しておきたい…というふうになるわけです。これがSLEの支配欲の正体です。
前回・前々回扱った、SLEチャンとSLEクンのやりとり。
瓶の蓋が開かな~いっ!! ねぇ~、SLEクン開けて~っ!!♡♡
SLEチャンは「かよわい」風を装って、SLEクンに命令を下し支配しようとしたんでしたね。
当然、SLEクンがそれに気づかないはずはありません。SLEは他人の支配欲にも敏感に反応します。だから彼はこう返したわけです。
お前、力弱すぎだろ。俺がいないとダメなんだなお前は~。
これは、SLEチャンの支配の拒絶ですね。SLEチャンの力のなさ・自立できなさをおちょくることで、「俺は『彼女に支配される哀れな彼氏』ではないぞ」とくぎを刺している。それどころか「むしろ俺こそ彼女を支配している側だからな」と主張しているわけですね。もちろんこのあとにSLEチャンの再反撃が待っていますけどね。
今日は以上です。更新が遅くなってごめんなさい。
※ひよこちゃんのセリフはイメージです。
※1 クアドラ・コンプレックスは、同じクアドラは同じコンプレックスを共有するという考え方。また「パシリ」はшестёркиの意訳。使用人とか小間使いのような意味を持つ侮蔑語らしいです。