仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ第12回目。今日は、IEEの深いナゾというタイトルでお送りします。
IEEの深いナゾ
前回少し触れたIEEとSLIの記事からの引用をもう一度。
――(…)ハクスリー(※IEEのこと)は潜在的なパートナーたちに対し、太陽の周りを回る惑星のように、特定の軌道でその周りを回転する「衛星」の役割を割り当てる…。
――この「太陽系」で回る「惑星」が多くなればなるほど、「太陽」はますます明るく輝き、ますます多くの機会が手に入り、ますます気持ちよくなるのです。
Дуальные диады 4й квадры: ИЭЭ – СЛИ | Соционика от Стратиевской, 拙訳.
IEEは、潜在的なパートナーを「衛星」化することで、輝きをより強めていく…そんな説明です。が、前回も言ったように、これは、とある美女IEEのエピソードについての説明なんです。
そのエピソードがとても面白いので、今回は引用してみます:
このソシオタイプ(IEE)の中でも最も美しいとある女性は、5人のファンに囲まれていました。彼女は、この5人のことを、自分なりに、そして(彼女が言うには)「完全に心から」愛していました。彼女は5人それぞれと親しくし、誰1人として拒絶するつもりはありませんでした。彼女は、全員にとって自由な夜を探し出しました。パーティーを開けば、絶対に人がたくさん集まります。そして彼女のファン5人はいつもパーティーに確かに出席しました。1人1人に対して、彼女は優しい言葉をかけ、気を配りました。そのためファンたちは皆お互いを知っていましたが、誰も嫉妬することはありませんでした。なぜなら、彼らは皆、自分こそが彼女の内縁の夫であり、彼女の唯一かつ最愛の結婚相手だと考えていたからです。この状況は、彼女が双対(SLI)に出会うまで続きました。今、彼女はすべてにおいて幸せです。かつてのファンたちとは、「友情」を維持しています。
このIEEの美女は、よくパーティーを開いていました。パーティーの目的は、IEEの言葉で言えば愛する人たちと会うため、別の人の言葉で言えば“5股”をうまくやるためでした。
でも待って!?!?
「いや、おかしいと思いませんか? 誰かを愛することは素晴らしいと言われます。なのに愛する人がたくさんいると浮気だとか5股だとか言われ否定されるなんて。5股が本当に悪いんでしょうか? 悪いのは相手に対する不誠実な態度であって、愛する人がたくさんいること自体は別に悪いことじゃなくないですか?」
…IEEの代弁をするとこうなるでしょう。「愛は素晴らしいのに愛する人がたくさんいるのは素晴らしくない」。これは、IEEにとってあまりにも深いナゾです。そして、ナゾは解明する必要があります。
さて、このようにナゾを解明・解決しようとしたがる傾向には、外向直観が関係しています。これは、可能性の直観とも言い、新しい可能性を考え、解決の糸口を探ろうとします。
主導する機能に外向直観を持つIEEは、ナゾを解明することに躍起になるタイプです(ナゾがなくなったら、自分からナゾを作り出します)。
「愛は素晴らしいのに愛する人がたくさんいるのは素晴らしくない」というナゾを解決すべく、新しい愛の形を考えます。
愛する人がたくさんいることが悪いとみなされるのは、コソコソ隠したり、支配したり、嘘をついたり、無関心な態度をとったりするからであると。であるならば、常にオープンで、相手を独占しようとせず、好きな人たち全員に誠実さと興味を持って接する、そんな愛の形が浸透すればきっと…! みたいな感じです。すでにある言葉で言えば、「ポリアモリー」というのが近いでしょう(興味あれば調べてみてください)。
このIEEの美女は、誰も傷つけない”5股”が実現できるし、それによってナゾを解くことができる、と本気で思っていたかもしれません。
さて、このIEEの美女は無事にこのナゾを解けたのでしょうか。双対・SLIと出会ってから5股状態はなくなったようですが、・・・そこに答えはあるかもしれません。