MBTIと違い、ソシオニクスのタイプにはサブタイプというものがあります。たとえば同じEII(INFP)でも、Fiが強めのFi-EIIと、Neが強めのNe-EIIがいるという考え方です。今回はこのサブタイプについて掘り下げていこうと思います。
不活性/活性とは?
サブタイプを考えるときに重要になるのが、「不活性/活性」*1という機能の分け方です。
不活性な機能は、ゆっくり情報を蓄え、あまり情報を使いたがらない、比較的受け身な機能です。その人が元々持つ長所・短所であって、誰かに指導してもらってどんどん高めていこうとは考えません。「不活性」というと怠惰とか受動的といったネガティブなイメージがありますが、影響を受けにくい・安定しているということでもあります。
不活性な機能は、モデルAの左半分の機能のことです。すなわち、
- ①主導する機能
- ④脆弱な機能
- ⑥動員する機能
- ⑦無視された機能
の4つということになります。
一方、活性な機能は、活発に情報を使い、周囲の環境と集中的にかかわっていく機能です。不活性な機能とは違い、伸びしろがある機能です。「活性」というとアクティブで社交的でイイカンジに聞こえますが、悪く言えば影響されやすい・不安定、そんな機能です。
活性な機能は、モデルAの右半分の機能のことです。つまり、
- ②創造する機能
- ③規範の機能
- ⑤暗示された機能
- ⑧証明する機能
の4つです。
不活性/活性とサブタイプ
具体例として、IEE(ENFP)を考えます。不活性な機能は左半分、つまり
- ①主導する機能:Ne
- ④脆弱な機能:Ti
- ⑥動員する機能:Te
- ⑦無視された機能:Ni
であり、簡単に言えばNとTです。一方、活性な機能は右半分なので、
- ②創造する機能:Fi
- ③規範の機能:Se
- ⑤暗示された機能:Si
- ⑧証明する機能:Fe
であり、簡単に言えばSとFということになります。
そしてこの不活性/活性という分類が、まさにサブタイプと絡んできます。というのはサブタイプの違いとは、不活性な機能と活性な機能のどちらにエネルギーを多く分配するかの違いだからです。
以前サブタイプについて紹介したときには、サブタイプには、①主導する機能が強めのサブタイプと、②創造する機能が強めのサブタイプがあるとしました。
参考:
つまり、IEEでいえば、Neが強いIEEすなわちNe-IEEと、Fiが強いIEEすなわちFi-IEEがいるということです。細かい証明は省きますが、Ne-IEEは不活性なIEE、Fi-IEEは活性なIEEと言い換えることができます。
不活性なNe-IEEは、SやFよりも、NやTのほうにエネルギーを注ぎます。そのため、活性なFi-IEEに比べると、人々の隠れたポテンシャルを見出す直観は優れていますが、愛情はあまり表現せず、性格も冷淡でメランコリックです。また、研究に向かう傾向もあり、時にNT型に間違えられることがあるかもしれません。
一方の活性なFi-IEEは、NやTよりもSやFにエネルギーを注ぎます。不活性なNe-IEEと比べると、人のポテンシャルよりも、人との関わりや倫理観について話すことが多いでしょう。そして性格も比較的明るく、感情の起伏が激しいです。また、Fi-IEEは、社会事業などの実践的な活動に向かうかもしれません。SF型に間違えることもあるでしょう。
すべてのサブタイプについても、これと同じように考えることができます。
サブタイプ一覧表
最後にですが、興味深いサブタイプ一覧表を見つけましたので紹介します。
強化 | 保護 | 弱化 | 隙 | 類似 | |
---|---|---|---|---|---|
Ne-ILE | Ne・Fe | Ni・Fi | Ti・Si | Te・Se | IEI・EIE |
Ti-ILE | Ti・Si | Te・Se | Ne・Fe | Ni・Fi | SLI・LSE |
Si-SEI | Si・Ti | Se・Te | Fe・Ne | Fi・Ni | SLE・LSI |
Fe-SEI | Fe・Ne | Fi・Ni | Si・Ti | Se・Te | IEE・EII |
Fe-ESE | Fe・Ne | Fi・Ni | Si・Ti | Se・Te | IEE・EII |
Si-ESE | Si・Ti | Se・Te | Fe・Ne | Fi・Ni | SLE・LSI |
Ti-LII | Ti・Si | Te・Se | Ne・Fe | Ni・Fi | SLI・LSE |
Ne-LII | Ne・Fe | Ni・Fi | Ti・Si | Te・Se | IEI・EIE |
Se-SLE | Se・Fe | Si・Fi | Ti・Ni | Te・Ne | SEI・ESE |
Ti-SLE | Ti・Ni | Te・Ne | Se・Fe | Si・Fi | ILI・LIE |
Ni-IEI | Ni・Ti | Ne・Te | Fe・Se | Fi・Si | ILE・LII |
Fe-IEI | Fe・Se | Fi・Si | Ni・Ti | Ne・Te | SEE・ESI |
Fe-EIE | Fe・Se | Fi・Si | Ni・Ti | Ne・Te | SEE・ESI |
Ni-EIE | Ni・Ti | Ne・Te | Fe・Se | Fi・Si | ILE・LII |
Ti-LSI | Ti・Ni | Te・Ne | Se・Fe | Si・Fi | ILI・LIE |
Se-LSI | Se・Fe | Si・Fi | Ti・Ni | Te・Ne | SEI・ESE |
Se-SEE | Se・Te | Si・Ti | Fi・Ni | Fe・Ne | SLI・LSE |
Fi-SEE | Fi・Ni | Fe・Ne | Se・Te | Si・Ti | IEI・EIE |
Ni-ILI | Ni・Fi | Ne・Fe | Te・Se | Ti・Si | IEE・EII |
Te-ILI | Te・Se | Ti・Si | Ni・Fi | Ne・Fe | SLE・LSI |
Te-LIE | Te・Se | Ti・Si | Ni・Fi | Ne・Fe | SLE・LSI |
Ni-LIE | Ni・Fi | Ne・Fe | Te・Se | Ti・Si | IEE・EII |
Fi-ESI | Fi・Ni | Fe・Ne | Se・Te | Si・Ti | IEI・EIE |
Se-ESI | Se・Te | Si・Ti | Fi・Ni | Fe・Ne | SLI・LSE |
Ne-IEE | Ne・Te | Ni・Ti | Fi・Si | Fe・Se | ILI・LIE |
Fi-IEE | Fi・Si | Fe・Se | Ne・Te | Ni・Ti | SEI・ESE |
Si-SLI | Si・Fi | Se・Fe | Te・Ne | Ti・Ni | SEE・ESI |
Te-SLI | Te・Ne | Ti・Ni | Si・Fi | Se・Fe | ILE・LII |
Te-LSE | Te・Ne | Ti・Ni | Si・Fi | Se・Fe | ILE・LII |
Si-LSE | Si・Fi | Se・Fe | Te・Ne | Ti・Ni | SEE・ESI |
Fi-EII | Fi・Si | Fe・Se | Ne・Te | Ni・Ti | SEI・ESE |
Ne-EII | Ne・Te | Ni・Ti | Fi・Si | Fe・Se | ILI・LIE |
参考:Contact and Inert Subtypes by Meged and Ovcharov – Wikisocion
ちなみに、
- 強化:重視している要素×エネルギー多め
- 保護:軽視している要素×エネルギー多め
- 弱化:重視している要素×エネルギー少なめ
- 隙:軽視している要素×エネルギー少なめ
です。
まとめ
今回は、機能の「不活性/活性」とサブタイプの関連について紹介しました。これによって、サブタイプ間の違いがよりクリアになったのではないでしょうか。
ちなみに、最後の一覧表の見方に関しては説明が見当たらなかったのですが、自由に解釈してみても面白い気がします(逃げ)。
*1:英語ではInertとContact。Contactに活性という訳をあてるのが適切かわからないですが…。