仕事帰りの電車の中で読めるをコンセプトにした、宵のつれづれシリーズ第16回目。今日は、黙認するESIというタイトルでお送りします。
黙認するESI
前回は、ILEとESIの衝突関係に関する小話を書きました。
衝突関係は、お互いの悪い特徴が出やすい関係です。前回登場した新人ILEくんとESI先輩も、周囲から「厄介なペア」だとして、迷惑がられるペアになっていきました。
ILEくんは、「自分さえ目立てればそれでいい新人」として、先輩たちからの印象をすこぶる悪くしました。
ですが、隣にいたESI先輩も例外ではありません。「自分さえ”いい人”であればそれでいい先輩」というネガティブなイメージを強めました。
これは、前回も書いた通り、ESI先輩がILEくんの悪い部分について何も働きかけなかったのが原因です。指摘もしなければ、フォローもせず、ただ彼の悪い部分を黙認していると受け取られたのです。※ESIは本来的には悪を許さず、その高い倫理観が最大の美点であるタイプであることも覚えておきましょ~う。
さて、ソシオニクスで言えば、ILEくんの黙認された悪い部分、それは内向倫理です。
内向倫理は、関係の倫理などとも言われます。この要素を軽んじると、人との良好な関係を築いたり維持したりすることが難しくなります。
ILEくんにとって、この内向倫理は脆弱な機能にあたりますが、これは、もっとも苦手意識の強い機能で、もっとも価値を置かない部分でもあります。
ILEくんの脆弱な機能×内向倫理は、「良い人間関係をはなから築く気がない」というような形で現れました。相手からどう思われるかを気にせずふるまい、多くの人の反感を集めました。
そもそも先輩たち、ゴミじゃんwwww
ESI先輩は、ILEくんのこの人間関係の問題について、はじめ、主導する機能×内向倫理で応答しようとします。
主導する機能は、自分の最大の強みであり、自信を持っている機能です。
自分についてきてくれれば、解決できる自信がある。だから衝突関係では、相手の脆弱な機能がもたらす問題についても、過小評価しがちです。
まあ、別に大丈夫じゃない?
が、実際には、脆弱な機能は人の影響を受けることを頑なに拒みます。相手は自分の思う通りには決して動こうとしません。しかもその拒否の仕方はとても怖くて、強く出ることができません。
何を言っても無駄どころか恐怖心すら湧き上がる…、そうなると「あ、もうこれ以上何か言うのはやめておこう」とセーブがかかって…、衝突関係では結局なにも言えなくなってしまいます。
言ったらキレられそう…。言えない…。
ESI先輩目線では、わりと「我慢」しているだけだったりするのですが、第三者目線では「自分がいい人でありたいから、黙認しているんだ」と受け取られてしまう…。いやほんと、衝突関係は難しい関係です。
※実話をもとにしたフィクションです。