こんにちは。前回と前々回で、MegedとOvcharov夫婦(IEEとSLI)による8通りの愛について紹介をしてきました。この夫婦はこの8通りの愛の相性についていくつか言及していますので、今回はそちらを紹介していきます。
8通りの愛の相性
8通りの愛は、ストルゲ、マニア、アナリタ、プラグマ、アガペ―、フィリア、エロス、ビクトリアのことで、それぞれ順番にFi、Fe、Ti、Te、Ni、Ne、Si、Seという要素と対応しています。
ストルゲ(Fi)、マニア(Fe)、アナリタ(Ti)、プラグマ(Te)について:
アガペー(Ni)、フィリア(Ne)、エロス(Si)、ビクトリア(Se)について:
冒頭で、MegedとOvcharov夫婦が、8通りの愛の相性について言及していると言いました。ただし、ざっと見た限り、すべての組み合わせについて語られているわけではありませんでした。語られていることのみをまとめると、以下の表のようになります。
- 合う:相性が良いとされる組み合わせです。
- 合わない:相性が悪いとされる組み合わせです。
- 普通:やっていくには努力が必要です。
- 冷める:いつか冷めます。
相性の良い組み合わせ
相性の良い組み合わせは、ストルゲとプラグマ、マニアとアナリタ、アガペーとビクトリア、フィリアとエロスの4種類です。
ストルゲとプラグマ
ストルゲはFi、プラグマはTeに対応します。ストルゲは家族愛的で、プラグマは利益重視の愛ですから、生活をともにするのに適しています。
ストルゲとプラグマという愛の形をもつ2人の間にはとても強い絆が生まれます。それはこれらの感情ゆえ、関係を強める穏やかで調和した生活が非常に重視されるからです。
ストルゲとプラグマを持つタイプの組み合わせ例:
LIEとESI、LSEとEII(双対関係)、ESIとLSE、LIEとEII(準双対関係)など
マニアとアナリタ
マニアはFe、プラグマはTiに対応します。ストルゲとプラグマに比べると、いかにも恋愛ドラマとか恋愛小説といった感じがあります。
マニアはその愛の持ち主を激しく動かし、特にアナリタの人の高い要求に応えようとします。同様に、アナリタは冷静な合理性によって、直情的なマニアの感情のバランスをとります。
マニアとアナリタを持つタイプの組み合わせ例:
ESEとLII、EIEとLSI(双対関係)、ESEとLSI、LIIとEIE(準双対関係)など
アガペ―とビクトリア
Niのアガペー、Seのビクトリアの組み合わせです。自己犠牲するアガペ―と、支配的なビクトリアは、ある種の主従関係によって結びつきます。
威圧的な所有者ビクトリアとは、ただ犠牲的な感情であるアガペ―だけが仲良くしたり意志に従ったりすることができます。
アガペ―とビクトリアを持つタイプの組み合わせ例:
SLEとIEI、SEEとILI(双対関係)、SLEとILI、IEIとSEE(準双対関係)など
フィリアとエロス
フィリアはNe、エロスはSiです。プラトニックなフィリアと官能的なエロスにおいては、知や美といった要素が重要になります。
エロスという愛の形について言えば、このように情熱的で要求の多いパートナーの興味を留めておけるのは、幅広い才能と知的な想像力であるフィリアだけです。これは心、体、魂の素晴らしい絆です。
フィリアとエロスを持つタイプの組み合わせ例:
ILEとSEI、IEEとSLI(双対関係)、ILEとSLI、SEIとIEE(準双対関係)など
相性の悪い組み合わせ
次に紹介するのは相性の悪い組み合わせです。ストルゲとアナリタ、マニアとプラグマ、アガペーとエロス、フィリアとビクトリアの4種類は相性が悪いです。
ストルゲとアナリタ
FiのストルゲとTiのアナリタは相性は良くありません。ストルゲが寛容さやリラックスを重視するのに対し、アナリタは野心があり相手にも向上心を期待するからです。
優しく脆いストルゲは、よそよそしくてしみったれているくせに厳しくて注文が多いアナリタには我慢できません。アナリタには、ストルゲはあまりに幼稚で退屈で甘っちょろいとさえ感じられます。2人が相互理解や感情の調和に達するのは難しいです。
ストルゲとアナリタを持つタイプの組み合わせ例:
LIIとESI、LSIとEII(超自我関係)、LIIとEII、LSIとESI(協力関係)など
マニアとプラグマ
FeのマニアとTeのプラグマも合いません。情熱的で激しいマニアに対し、プラグマは利益重視でギブアンドテイクを求めるからです。
崇拝という感情は実用主義的な打算とは相いれません。プラグマからすればマニアは不穏でつきまとってくるようにみえますし、マニアからすればプラグマは冷笑的で退屈です。
マニアとプラグマを持つタイプの組み合わせ例:
ESEとLIE、EIEとLSE(超自我関係)、ESEとLSE、EIEとLIE(協力関係)など
アガペ―とエロス
NiのアガペーとSiのエロスも相性が悪いです。全てを赦す愛アガペーは、上昇志向のエロスとは相いれません。
メランコリックなアガペ―は、エロスに感服したり興奮したりしません。エロスはハイレベルな要求によってアガペ―を傷つけます。加えてエロスの持ち主は同情や共感、謙遜を求めておらず、むしろ高揚感を与えてくれるような平等なパートナーを必要としています。
アガペ―とエロスを持つタイプの組み合わせ例:
SEIとILI、IEIとSLI(超自我関係)、SEIとIEI、ILIとSLI(協力関係)など
フィリアとビクトリア
NeのフィリアとSeのビクトリアも合いません。フィリアが友情に似た団結を重視するのに対し、ビクトリアが望むのはパートナーの所有です。
これは、精神と身体、平等への渇望と服従、実際の利益とその軽視という昔からある対立です。お互いに惹かれ合いません。
フィリアとビクトリアを持つタイプの組み合わせ例:
ILEとSEE、SLEとIEE(超自我関係)、ILEとIEE、SLEとSEE(協力関係)など
努力を要する組み合わせ
お互いに努力してなんとかやっていこうとする組み合わせが、ストルゲとビクトリア、マニアとエロス、アガペーとプラグマ、フィリアとアナリタです。お互いの愛が失われてしまえば相手への関心も薄れ、そのうち別れます。子供や経済的な事情からお互いに合わせて続けている人たちもいますが、かなりイライラするので愛がなければ耐えられません。
ストルゲとビクトリア
FiのストルゲとSeのビクトリアは、努力を要します。
機転の利くストルゲは、調和と関係の維持のために歩み寄ります。ストルゲは忍耐強く、時間をかけてビクトリアをやわらげます。時々、ストルゲの柔軟なところがアガペ―に近づくのですが、それはビクトリアにとって必要なものなのです。
ストルゲとビクトリアを持つタイプの組み合わせ例:
SEEとESI(鏡像関係)、SEEとEII、ESIとSLE(監督関係)、SLEとEII(衝突関係)など
マニアとエロス
FeのマニアとSiのエロスも努力次第です。
相手への崇拝が二人を結びつけ、はじめは明るい気持ちでいられます。時がたつと、情動が飽和状態になって疲労がたまり始めますが、マニアはエロスにがっしりしがみつきます。2人の関係はたいてい激しくなりますが、どちらにとってもおもしろいものです。しかし、ここでは結果をいつも的確に予測することはできません。
マニアとエロスを持つタイプの組み合わせ例:
SEIとESE(鏡像関係)、SEIとEIE、ESEとSLI(監督関係)、EIEとSLI(衝突関係)など
アガペ―とプラグマ
NiのアガペーとTeのプラグマも努力が必要です。
理想主義的な自己犠牲と完全な打算は、摩擦もありますが、安定と永遠を求める相互の欲望に収れんします。
アガペーとプラグマを持つタイプの組み合わせ例:
ILIとLIE(鏡像関係)、ILIとLSE、LIEとIEI(監督関係)、IEIとLSE(衝突関係)など
フィリアとアナリタ
そしてNeのフィリアとTiのアナリタです。これも努力が必要です。
これは、両者が完璧さのために努力する高度に知的な結びつきです。しかしこの関係は、フィリアには色気が足りず、アナリタには情緒が足りません。しかし2人は心が通い合うような共通の趣味を探します。主義の違いや個人的な不満があるときだけは別れることになるでしょう。
フィリアとアナリタを持つタイプの組み合わせ例:
ILEとLII(鏡像関係)、ILEとLSI、LIIとIEE(監督関係)、LSIとIEE(衝突関係)など
冷める組み合わせ
最後に紹介するのは、気持ちが冷める組み合わせです。ストルゲとマニア、アナリタとプラグマ、アガペーとフィリア、エロスとビクトリアの4種類です。2人の問題は、感情や性という面からアプローチしても解決できません。根源的な問題を探ることがお互いの理解に繋がります。
ストルゲとマニア
FiのストルゲとFeのマニアの恋愛は、いつか冷めます。
最初は、相手への崇拝に2人とも焦点を当て、優しく、情熱的で、お互いがとても魅力的なパートナーになります。しかしすぐに2人は愛を違うように理解しているとわかり、失望します。
ストルゲとマニアを持つタイプの組み合わせ例:
ESEとESI、EIEとEII(消火関係)、ESEとEII、EIEとESI(幻想関係)など
アナリタとプラグマ
TiのアナリタとTeのプラグマも初めは惹かれ合いますが、そのうち冷めます。
冷静なアプローチをし合うので、最初はお互いに興味を持ち、尊敬のもと落ち合いますが、お互いにむしろよそよそしくなります。愛の情緒的な側面がこの結びつきにおいては表現されません。加えて、プラグマはアナリタの会いたがり方に合わせようとしません。結果的にお互い失望します。
アナリタとプラグマを持つタイプの組み合わせ例:
LIIとLIE、LSIとLSE(消火関係)、LIIとLSE、LSIとLIE(幻想関係)など
アガペ―とフィリア
NiのアガペーとNeのフィリアも同じく冷めていきます。
愛の中に犠牲的態度と平等が共存するのですが、それらがお互いに排除し合います。感情表現や性的な主導権のことで問題が生じ、2人とも冷めてしまうかもしれません。2人の関心は精神的なことですが、異なっています。表面的な友情関係は長いこと維持されるかもしれませんが、お互いに退屈します。
アガペーとフィリアを持つタイプの組み合わせ例:
ILEとILI、IEEとIEI(消火関係)、ILEとIEE、IEEとILI(幻想関係)など
エロスとビクトリア
最後にSiのエロスとSeのビクトリアです。いつか失望します。
この結びつきは初めは激しくなるかもしれません。しかしエロスは、感情的な調和を目指しており我慢は受けいれないので、ビクトリアに失望します。ビクトリアはというと、エロスのことを手に入れたいと思いません。2人はとても自立して簡単に別の道を進むことになります。
エロスとビクトリアを持つタイプの組み合わせ例:
SEIとSEE、SLIとSLE(消火関係)、SEIとSLE、SLIとSEE(幻想関係)など
空欄になっていた部分についても知りたいところです。見つけたらまた紹介しますね。