決めないと決めた――今後の進路について | いざよいブログ
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決めないと決めた――今後の進路について

案の定、留年しました

個人的な話になりますが、卒業式を前にして、留年することがわかりました。“単位の計算ミスで卒業できなかった知り合いの知り合いの知り合い”という都市伝説は何度か聞いたことがありましたが、まさか自分がそうなるとは………いえ、思っていました

『徒然草』の第百九段で、木登りの名人は「過ちは、やすきところになりて、必ずつかまつることに候ふ。」(意訳: ミスは余裕こいてるときに起こる)と言っています。私は物事をなすときにはいつもこの言葉を思い出すようにしていました。それは、自分が油断しやすいのを知っているからです。だから、「まさか」というよりは「案の定」と思いました。確かに油断がありました。それまで念入りに残り単位を数えてきていたのに、4年の後期だけしっかり数えなかったのです。

予期せぬ4年次での留年…これは多くの人にとっては不幸でしょう。しかし不幸中の幸い、私は進路が未定だったのです。まぁこの先1年の進路はこれで決まってしまったわけですが、卒業後の方の進路について考えるにはいい機会かなと、留年を前向きに捉えています。

すぐ決めたがるのは優柔不断だから

思えば、私はろくに考えないままに大きな決定をしてしまいがちです。私は高校生の頃、4大の文学部を目指すか、美大を目指すかで少し悩んだ時期があります。最終的には文学部を目指すことにしたのですが、その決め方はほぼ占いでした。「あれがああなったら美大は諦めて文学部に行こう。あれがこうなったら美大に行こう」――「ああなった」のです。

今「あのとき美大を目指していれば…」と過去を後悔することはほとんどありません。一方で、受験期には「この進路で大丈夫なのか?」という未来への不安は消えることがありませんでした。目標に向けて歩き始めるまではいいのですが、しばらくすると引き返したくなります。だから途中で頑張れなくなっていったのです。なぜ私はそんなことになってしまうのでしょうか。

おそらく私は、自分の優柔不断を我慢できないのです。決断の速さは、優柔不断の裏返しのように思います。さっさと志望校を決めなければ対策ができないのに、なかなか志望校を絞れない。どこに行くべきなのかわからない。そんな状態が続くのが嫌で、いつも決定の基準を自分の外に見出して、それに基づいて即決してきました。

もちろん、この先このような決め方は通用しないのです。そして私は、大学卒業後の進路をそのように決めようとして失敗したのです。

横の選択ができない

大学受験までの進路選択は、縦の選択でよかったと感じます。学部だけ決めてしまえば、あとは偏差値で志望校を絞れます。さらに受験対策だって大学によってそこまで大きく変わるわけではないので、大雑把な選択でも困らないのです。現に私は「文学部」以外の選び方ができませんでしたし、偏差値に頼りました。偏差値表の文学部欄を見て、上から順に選んで終わり。簡単でした。

しかし大学入学後、そういう簡単な決め方ができなくなってきました。第二外国語選び、専攻選び、卒論のテーマ選び、そして卒業後の進路選び。どんどん選択肢が横に広がっていきました。優劣のない選択です。偏差値のような縦の基準はもはや通用しなくなり、自分でやりたいことを決定しなければいけなくなりました。これが横の選択です。

何でもやってみたい人なら、横の選択を占いで決めてもいいのかもしれません。「ああだったらドイツ語、こうだったらフランス語」のように。しかし、私は何でもやってみたい人ではありませんでした。何を選ぶべきなのかが自分でよくわかっていないだけで、明確にやりたいことが、しかも1つだけあるように感じます。横の選択ができないのは、どれがその正解の1つなのかまるでわかっていないからです。

優柔不断を受け入れようと思う

前述の通り、私は自分の優柔不断に大きなストレスを感じます。だからこそ、選ばないようにしてきたのだと思います。それは決断を保留するというよりは、むしろ早すぎる決断によってです。そしてそのような態度が、自分の本心に向き合う機会を奪ってきたことは言うまでもありません。

優柔不断に耐えながら、自分の本心を整理していくこと。私の今の課題は、これに尽きると考えています。「自分は何をすべきなのか」を明確にし、その内なるガイドラインに沿って進路を決めなければ、また途中で引き返したくなるような気がします。引き返したくなるのは、歩き始めた後でわかることがあまりに多いからです。もちろん、歩き始めないとわからないこともあります。どんなに頑張って道を決めても、絶対に引き返したくなると思います。それでも、迷わずに突き進むことができる道があるのであれば、それを探すための努力を惜しみたくありません。

決めないと決めた

以上の理由から、今は進路を決めないと決めました。決めない代わりに、まず自分が本当にやりたいことは何であるのかについて考え、次にそれに向けて情報収集をすることにしました。ある程度方向性が定まれば、苦手意識の強い情報収集もなんとかなりそうな気がするからです。*1

決めないと決めたのは2月の下旬です。それから1か月が経ちました。今は、ほんのわずかではありますが、説明会やセミナーに参加したり資料請求をしたりして、今後について立ち止まって考えることができています。今のこの足踏みが、より良い道を進むためのウォーミングアップになってくれればと思っているのですが。

*1:劣等機能(外向S)の発達のためには第三機能(内向T)の発達が必要という説明がしっくりきます。

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